桜ハウス玉川の竣工は、2006 年です。当時は地球温暖化防止対策として京都議定 書の発行があり、産業界から民生部門にいたるまで国を挙げての CO2 削減が急務の 課題となっていた時でした。その1年前、特定非営利活動法人「外断熱推進会議」が 人類史上初の「無暖房住宅」を実現させてスウエーデンの建築家ハンス・エーク氏を 招いて長野、東京、京都、札幌の4会場で日本向けセミナーを行いました。講演タイ トルは「地球環境と無暖房住宅~エネルギーを使わない暮らし」です。パネルディス カッションにおいては、長野県地球保全協会の茅野会長や信州大学の山下教授を交え て熱い議論が交わされました。そしてこのセミナーにご参加いただいていた桜ハウス 玉川のお施主様が感動されハンス・エーク氏の無暖房住宅視察という過程や専門家と の研究を経てこのプロジェクトの実現にこぎつけたという経緯があります。
2006 年9月に開所した日本唯一の無暖房仕様の施設で省エネはもちろん、健康で安全、快 適な建物にお施主様、ご入居者様や職員の皆様まで大変お喜びいただいています。全 館ほぼ同一の室温を通年に渡って維持できる環境性能と次世代省エネ基準の 93% 減 という数値実績は大きな波紋を起こしました。冬場の熱源は人体の体温と家電機器の 熱。熱交換器で館内の空気を回しながら補助程度にエアコンを使用するという驚異的 な現場に日本全国から視察に来所される方が断ちません。この桜ハウス玉川の実績を さらに進化さ せ、健康と省エネに大きく特化する思想から展開したものが「カルナ」なのです。
施設名:桜ハウス玉川(小規模多機能ホーム+訪問介護ステーション)
開 所:2006 年 9 月 延床:約 770 m²(約 230 坪)
●RC 構造 ●2 階建 ●オール電化仕様 ●暖房設備なし